【代表の想い】大切なレコードやCDを手放すということ
弊社代表の買取に対する様々な想いを転載しております。ご依頼の際にぜひ一度ご拝読いただけましたら幸いでございます。
私自身も、長年レコード収集家でした
私自身、長年レコードやCDのコレクターだったので、困窮した時など何回も、泣く泣く自分のコレクションの一部を中古屋さんに売ったり、ネットオークションで売却した事があります。
レコードのせいで貯金が無いのか、貯金の代わりにレコードを収集するのか、困った時のコレクション放出で助けられたコレクターの皆様も多いのではないでしょうか。
レコード収集家にとって、そのコレクションは最後のセーフティーネットの役割を果たしているといっても過言では有りません。
普段は家族から疎ましい目で睨まれているレコード棚の眠れる獅子も、売却時にその牙をむきます。
「パパ凄い!」
「ほら俺が言った通りだろ」
その高査定に家族の尊敬を集め、目利きとしての自尊心と家長としての尊厳を満たしてくれる、レコード・コレクション。
駄盤ばかりでも、その物量により力ずくで査定額アップを勝ち取る、名盤1枚より駄盤100枚、質より量のレコード・コレクション。
だからといって、血の滲む思いをして集めた、自分のコレクター人生を生きた、その証を手放すという事は、いつだってとても辛いものなのです。
コレクションしてきたレコードを売るということは、自分の想い出を里子に出すのと同じ。
そんな気持ちなんです。コレクターにとっては。真剣なんです。心では泣いているんです。
家族の笑顔より レア盤1枚なんです。
お客様の想いを大切にする、それが私たちの使命です
【レコードの買取に関して】
現在、弊社では毎日レコードの買取のご依頼をお受けしております。
ご依頼の内容を拝見して、お値段が付くものはお売りいただき、お値段が付かないけれども無料引取だったらお受けできそうなものは、そのご提案をし、引取りも難しそうなお品物に対しては、恐縮ながら、お断りのご返答をしております。
生業として中古レコード屋さんをしておりますので、やはり商業ベースに乗らないご依頼に対しては、お断りのお返事をせねばなりません。
この「お断り」する事が非常に心苦しいことなのです。
出来れば引き取りでも全てのお品物をお預かり出来れば良いのでしょう。
しかしながら、弊社の場合ですと、先ずはどんなレコードでも、出来るだけ商品化して販売し、レコードを大切にメディアとして残していきたいという想いが強くあります。
そうしますと、入ってきたレコードは全て商品化出来るかどうかデータ等を見ながら損傷具合や在庫、売れ行き、価格帯等で製品化作業に回すかリサイクルに回すか、という作業を行わなければなりません。
既にこの時点で、買取代金にプラスして経費が原価にかかってきてしまうということになりますよね。
それに、出来るだけリサイクル品として廃棄しないということは、販売する為の商品としては残念ながら価値が低いレコードが倉庫に滞留しがちになったり、レコードのまま処分出来る処分先の確保とかに労力が取られる訳です。
いくら「引き取り」 だからといっても送料は弊社が払ってますし、売価に対する原価率に換算しますと、その他の諸経費も含めて結構な負担になってしまう場合が多いんですよね。
その負担をも、ものともしないぐらいの体力が弊社にも有れば良いのですが、今の現状ではとてもとても・・・。
でも、ビジネスライクに、「商品にならないレコードはバンバン廃棄してリサイクルにまわす」、とかいうのは、強く違和感を感じるわけです。
私の希望としては、もっと情緒的なものを踏まえつつ買取業務や製品化作業をしていきたいんです。
【ビジネスの効率だけではない「心の商い」を】
そもそも、弊社に売却をご依頼して頂くお客様の層を見ますと、
- 若い頃からセッセと収集されて来て、事情が有ってやむなく手放すお客様
- 収集を引退されて長いこと経つけど、処分する気になれずそのままずっと所持していたお客様
- ご家族の遺品
- 現行コレクター
といったお客様が多いんじゃないかと思うんですが、とりわけ1〜3番のお客様が多いように感じます。
そうすると、このお売り頂いたレコードって一体何年お客様のお手元で大事に保管されてきたんだろうと、ふと思う時が有るんです。
売却希望物のレコードの査定とかをしていて、販売年が20年から30年前のレコードとかが入っていると「このレコードって、ひょっとしたらご家族よりも長く売主様と一緒に居たのかも」、なんて思うことも多々あります。
レコードの商品化作業で、当時の値札を剥がす作業というのがあるのですが、その値札を見ながら、「このお値段だとお店で買おうかどうか迷いながら買われたのかな〜」とか、「この稀少盤が当時はこんな安価で売っていたの?良いお買い物されたな〜」、とか逆に「この駄盤にこの値段はないだろ〜」とか、色々とこちらも思いを馳せる時があったりします。
それに値札を見ると何処で買われたかとかも分かるので、「あの店なら私も行ってた」とか、「この店は値札が中々ジャケットから剥がれず当時は苦労した」とか、「裏ジャケのこの位置にセロテープの痕跡が有るのはあの店で購入されたな」とか、当時の空気感を共有出来たりする時もあったりする訳です。
そういった、お客様の様々な想い出や人生の一場面がこのレコードの中に詰まっているかと思うと、そうそう簡単に「これは廃棄」とか言えないですよね。
ですのでHP上の買取の文言も「ご不要のレコードをお金に換えていただけます」とかだと、弊社には馴染まないんですよ。
やっぱり自分が元々マニアで、 少なからず売却時のそういった手放す苦しみや寂しさを経験しているので、その想いを出来るだけ受け止めて弊社で消化して、活かしてあげたいなと思う訳です。
こんな事を書いていると、商人としては甘い考えだなとも、だから儲けが少ないんだとも、思ったりする時もあるのですが、そういう割り切りが出来てたら、果たして10年以上もこの商売を続けられたのかとも思うのです。
そもそも、そういったビジネスとして効率さを求める人が、中古レコード屋さんで起業!なんて思わないでしょうし。
セオリーとしては当然儲けの出そうな業種で起業するのが基本でしょうし、それをしていたら好きなだけで起業した私のように余計な苦労の連続で悶絶し続ける事も少ないのかもしれませんが、私の場合ですと、元がお金儲けメインで始めた商売ではないので、そういった心の商いを少しでも永く続けられたらなぁと、最近特に強く思います。
こういった考えが商売として意味があるのかどうかは分かりませんが、そういう想いがこもったレコードをご購入者様に大切にお渡し出来るようにしていくことが弊社の役目なのではないかと。
売却主様とご購入者様と一緒に、レコードの中に詰まった音以外の物を、そのまま活かしてあげられる場所になれれば何だかそれでいいのではないかと。
さよならと出会いの交差するお店なので、温かさを忘れずにですね。
・・・・と私が上記文章をブログに掲載したのが2012年。
お陰様で買取に関しましては、ネット検索で当サイトの当ページにご来店いただいたお客様から、お品物をお売りいただくことにより運営させていただいております。
弊社のような弱小店で、海外買い付けもせず、ただネット上のこのページからお売りいただくことで成り立っているというのも、正直申しまして非常に稀な存在であるのかもしれません。
私自身このような状態で15年以上もこの商いを続けられるとは思ってもみなかったことです。
これも全て弊社をお選びいただき、お品物をお託しいただいたお客様のお陰であると心より感謝申し上げております。
この商いを始めて以来、常に買取の作業をしていて頭の中をよぎるのは「果たして私はこのお客様の想い、このレコードを活かしてあげられるのか」ということです。
弊社はスタッフも十数名ほどの小さなお店ですし、大手に比べて特段繁盛している訳でもございません。
然しながらお客様から頂くご感想やご依頼の際に頂戴するお品物の由来等、
「亡くなった父が大切にしていた・・・」
「若か借りし頃、小遣いを貯めて必死に集めた想い出の・・・」
といったお言葉を目に致しますと、とてもお預かりしたレコードを単なる商品としては扱う事が出来ませんし。
何とか最高の形で次のご購入者様にお渡し出来ないか、このお託しいただいたレコードを弊社の力でもっと活かす事ができないのか、もっと売主様の想いを継いであげられれば、という悶々とした想いがつきまとっております。
然しながら「売れないから廃棄」、「在庫が余ってるから廃棄」といった「ビジネス」では当たり前と言われている在庫整理は敢えて出来るだけせずに、お陰様で現在まで運営できているということは、弊社にとってはある意味とても幸せな事なのかもしれません。
「ビジネス」としては間違っているのかもしれませんが「商い」としては、そういうお店が1店くらい存在してもいいのじゃないかと思う時もございます。
小さいお店だからこそお客様と想いを共有する事に専念することができるのかもしれません。
まだまだ試行錯誤は続くのでしょうが、地道ながら現在出来ること、お売りいただいたレコードを大切に手入れし直して次へ活かす事を忘れず、常に誠実さと温かさを持ってご対応することに専念し社名の「ほくほくとう」の由来である 「ほくほく」 とした想いをお売りいただいたお客様にも、ご購入されたお客様にもご提供できるよう今後も努めて参ります
どうぞスノーレコードをご利用いただけましたら幸いでございます。
代表:安藤智彦
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